wildlera 徒然草
船底に戻る
インデックスへ

2007.5.13 王者を求めず
 我々は、低所得がイヤだからいい学校に入り、学歴を手に入れようとする。 社会的評価が欲しいから大企業を選ぶ。
 さて、テストでAランクを取れるのも、その他大勢がB~Eランクに分類されてくれるお陰である。
つまり、我々が憧れるてっぺんという場所は、次点以下のその他大勢の人たちの存在無しに成立し得ない。他人を出し抜くにも、出し抜く他人がいないとどうしようもな い。”勝ち抜いてきた”貴方の価値なんて、その程度のものだ。
 勝ち組という破廉恥な言葉があるが、負け組がいないと成立しない事は自明であり、勝ち組を望む事は他人様に負け組になって頂くよう望む事でもある。本当 に、下衆だ。
 周りを見回してみると、怒られるからやるとか、見られているからやるとか、マスコミに叩かれるからやるとか、票の確保に必要だからやるとか、金を請求されないようにやるとか、注意されないからしなくて良いとか、面倒だし関係無いから関わらないとか、上手く立ち回っているように見えて、その実他人に自らの行動の判断基準を依存している人が、シーンが非常に多い、というかそんなんばっかりである。
 じつに日本的な風景だと思う。その本質は、常に人の目を気にせずにはいられない、他人依存の矮小な心に由来する。
そしてこれは、信念を持ち、自力で航海を行うキャプテンが育たない土壌である。


2007.2.24 正社員とは・・・
 ソースがはっきりしないので、断定は出来ないのだが正社員と非正社員の待遇格差をなくす方向らしい。
頼まれた仕事をきちんとこなし、時間から時間まで働く。もちろんたまには時間外でも働くが、そのぶんの手当は当然貰う。
非正社員の人たちの労働のスタイルは、一見スタイリッシュでスマートに見えるのだが、実は至極当然なスタイルなのだ。
 雇用とは、労使が対等の立場に立った契約だ。労働者が労働を提供する対価として、雇用主は賃金を支払う。当然、取り決め以上の労働を労働者が提供すれば、雇用主は当然の対価として時間外手当を支払わないと行けない。
 僕は大学で労働法を一番力を入れて勉強をした。細かい部分はさすがにもう忘却の彼方だが、根本の部分は覚えているつもりだ。だから、サラリーマンになっ て経験として学んで来たものも多くあるが、それを自分の中でどう解釈したら良いのか、その中で自分がどうすべきなのかは分かる(気がする)。
 実際、サラリーマンになったばかりの頃は驚きの連続だった。学校で学んだ事なんて、九割九分が奇麗事なのだ。先輩これは違反行為ですよといったところで、バカこうしなきゃ会社潰れるよ、と言い返されるのが世の中なのだ。
会社潰れるよ、はおおげさだが、僕の知る限り日本の会社というのは午前9時以前・午後5時以降のいろーんな行為でなんとか経営が成り立っているところが非 常に多い。朝礼や掃除、挨拶回りやボランティアなんていう直接生産行為に結びつかないものだって「会社」を組織として息づかせるための大切な行為であり、 そしてこれらのほとんどは、正社員と呼ばれる人たちによって守られている。正社員は、その上で定時勤務という本来の労働をこなしている。
 こういう考え方は、「社畜」かなあ。いや、待遇格差が無くなり、にもかかわらず定時以外の労働を当然のようにこなす正社員がいたら、それこそ社畜だろう。


2006.7.8 雑観

 先日帰宅すると、ウェブ関連の会社から営業案内の電話がかかってきた。必要ないですよー、ご苦労様ーくらいのゆるい応対でお断りしたが、気になったのは僕の情報が、先日嫁がバカスカ漁っていた、自動車保険のインターネット見積もりから流用されたという点だ。
おそらく、こういう案内に利用させていただきますという断りは事前にされていたと思うし、こんな絡みもあるから格安な保険料でサービスの提供が出来るのだとは思う。
ウェブでビジネスの一端を担うというのはこういう事だろうし、たかだか年間2、3千円のお得感を味わうために個人情報の切り売りを黙認しているのが本当のところだろう。あなたんとこは違う?

 景気は上向きだといいつつ、この閉塞感は何だろうと常々考えている。やはり一番の原因は、安けりゃいいという消費者意識に原因があると思う。
 残念ながら、日本の人件費は世界一高い。人が生産に携わる以上は、コストを下げるためには海外の安い労働力を利用しないといけない。
これでお手軽に、職場は減るし通貨は国外に流れる事になる。

 求人倍率が上昇しているらしいが、申し訳ないけどそのうちの何割が、いわゆる派遣社員、準社員と呼ばれる人たちだろう。給与体系や保険関係が不明確で、社会的身分としての安定性がとても低い職種?だ。
派遣会社に登録する事で就職になるのかな、それとも派遣先が決まるとそうなるのかな。なんにしても、家庭持ちが10年、20年続けられるものではない。
 ただし、数値上では経済活動は活発化しているように見えるし、たとえ消費サイクルの速い人事体制(使い捨て会社が歩兵を募集してますよ、という事)であろうと有効求人倍率の好転に一役買ってはいる訳だ。

  預金の平均が、たとえば500万円だとしても、ふたを開けてみれば1人が5000万円貯め込んでて9人が貯金なしの場合だってあるわけだし、ここまで極端 ではないにしても、社会の本当の姿を知る上で平均値というものはあまり重視すべきではない。世代別カテゴリ別の分布図でなくてはならない。

 情報はあふれているように見えるが、残念ながら使えないものが多すぎる。そのため有用なものを探し出す手間が非常に煩わしくなっている。
情報を正確に読み取ろう。そのためには否定的なデータをたくさんそろえる事だ。

 尊敬はしていないが共感の出来る作家の一人に、芥川龍之介というのがいる。この人が作品『侏儒の言葉』の中で喝破している。「善悪」を自分の「好嫌」と混合するな、はき違えるな、と。
 僕は煩悩が大きいので、ジャスティスにはなれない。だからせめて冷静な頭脳を持ちたいと思う。客観的な視点を持ちたいと願う。そのためにも、美味しくな いデータを目から脳へと放り込み、エントロピーを感じていないといけない。


2006.4.15 アイフル全店で業務停止命令

 こんなだから、ああやっぱりね、所詮がサラ金屋さんね、と世間様から軽んじられる。
 違法行為の発覚とのことだが、整理しておこう。今回の違法行為ってなに?
まず、お客様に契約内容の詳細を渡していない。→契約の開示は義務。貸金業規制法違反。

債務者本人以外の人物に請求を行った。→一般の人もいい加減に勉強して欲し い、借金は借りた本人(と保証人)以外に支払い義務はない。たとえ親兄弟夫婦といえども。請求行為自体が無効だし、第三者に債務者の個人情報を漏らした事 になるので別の重大な問題も発生する。
業者は下手したら貸金業免許取り消し。馬鹿が無知に付け込む、話にならない行為。
ついでにいえば、借入契約書類に本人の直筆サインと印鑑は必須。第三者のサインでは、契約そのものが無効になる事もある。

取り立て行為に恫喝があり、暴力的。→警察を呼ぼう。ただし”暴力的”の線引きが難しい。たとえ職場や自宅に回収マンが取り立てに来ても、常識的な振る舞いなら警察は相手にしてくれない。「民事介入は出来ません」の一言で終わり。
大声を出す、居座る、物を傷つける、脅す等があったらそのまま回収マンの身柄を確保して警察と消費者センターに電話。

 金貸しの仕事をしていると、プライドを保つのが難しい。
真剣になればなるほど、お客様から疎んじられるのがこの業界だ。砂を噛む空しさを感じる事も多々ある。
借りた金を返しもしないくせに何癖をつけ、揚げ足を取り、約束をしてもすぐにバッくれる連中相手に紳士的に応対しないといけないのがこの業界だ。正直な話、借り逃げは犯罪、お前アホかと電卓投げつけてやりたくなることも多い。
逆に、甘い罠もたくさんある(ハマると確実に人生転落コースだが)。

 プライドをなくすと人間は、数字だけの判断で他人の気持ちを理解出来なくなる。数字のために、お客様が企業の経営資源にしか見えなくなってくる。
数字だけで評価を行う人を僕が好きになれない理由はここにある。
これはなにも売り上げ実績や学校の試験、お財布の中身の量の事を言っているのではない。象徴的な例として、ドラゴンボールに出て来た相手の喧嘩の強さを数 値化して示すレーダー、あれなんてそうだ(これについてはテレビゲームとのタイアップとの関係もあったのでしょうけど)。
9は10より小さいから価値がないという発想、数値以外に物差しをもたない脳みそ、こういう人達は他人と良い人間関係を築く事は出来るのだろうかという不 安が先に立つ。少なくとも僕は、そういう人間と話をしても、ちっとも面白くない。彼らの思慮の浅さと目線の低さに頭がクラクラしてくる事がある。

 アイフル。たしかチワワかなにかでテレビCMを展開し、なんとなくほのぼのムードの企業イメージを醸し出していたのがここじゃなかったかな。サラ金のCMは、酒やタバコ並みに規制して欲しい。
もういいだろう、浮かれるのは。国民の皆さん、あなた達は軽く見られているのですよ。


2006.1.4 新年

ご訪問いただきました皆様、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。


このページの先頭へ戻る
船底に戻る
インデックスへ