第1日目はバチカン&ローマ市内観光。
初日からいきなり圧倒される内容で、もうヘロヘロになった。
これがローマ文明か!

第1日目:ローマ観光
 さてここで、『ローマの休日』が頭に浮かぶか『窓からローマが見える』が出てくるかでその人の映画の趣味が分かる。『エーゲ海に捧ぐ』は関係ない。初日は、あの映画(もちろん『ローマの休日』)で有名になったスポットを中心にツアーは進んだ。定番コースですね。東京・浅草寅さん巡りとノリは同じだ。

 まずはバチカン市国。
ここでまず確認しておきたいのが、バチカンは宗教的に独立しているだけであって、政治・経済は独立していない、という事。
つまり政府や独自の経済機構は持たず、イタリアに依存している。精神的な独立区という点では、日本の皇居が近いかな?
 最初に、世界の至宝・バチカン美術館を訪れた。美術館入館=入国になるけど、朝の9時を回らないと入れない。八時半くらいに着いた我々ツアー客一行は「入館までに並ぶことになりそうです」と添乗員さんに言われて、まあしょうがないね、と思いつつ美術館前までに来てみると!
さすが世界中から人が集まるだけあって、まあ並ぶ並ぶ。入国(というか、バチカン美術館への入館)までに一時間くらい待たされた。ドラクエ3の時だって、ここまでは並ばなかったよ。
補:本当なら団体客用に特別な入り口があるとの事だが、我々が訪れたときは運悪く閉められていた。あちこち補修中なのだ。   

 

 

 バチカン美術館。元はローマ法王の宮殿だったため、もうそこらじゅう、宝の山。建物自体がひとつの宝石箱だ。
屋根から床までスキなく大理石で造られ、天井一面には宝石や金で飾られたレリーフやモザイク画の山、そして部屋といわず廊下といわず、彫刻がずらーっと並べられている。それも決してやっつけ仕事じゃない、名のある美術家が手掛け、数世紀を経た作品だ。
しかも柵などなく、手を伸ばせばどれもが触れる事が出来る位置に置いてある(とてもそんな気は起こらなかったが)。

 やられた。規模が違い過ぎる。
単品でも素晴らしい美術品が、誇張でもなんでもなく文字どおり無数に、手の触れるところにどっさりと置いてあることの凄さとでも言おうか、こんな空間がこの世にあると分からせてくれて、もうこれだけでもローマに来て良かったと思った。感服させられた。

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 続いて、美術館に併設されている聖システィーナ礼拝堂を見学。
ここには、ミケランジェロの『最後の審判』が、壁一面、天井までびっしりと描き込まれている。
ルネッサンス期の作品なので、永い間ススやほこりで色の判別も難しいくらいに汚れきっていたのが、最近完全に修復され、今では当時の色彩で見る事が出来る。神様、ありがとう。

 『最後の審判』は祭壇奥の、信者席から向かって正面の壁一面に描かれている。
床に近い部分がこの世と地獄、人はそこから昇天し、中央上部に描かれたイエスの審判を受け、善人は絵画最上部の天国へ召され、悪人はふたたび床付近の地獄へ落とされるという構図だ。

 他の壁には聖書の逸話が隙間なく描き込まれ、天井には神を中心に創世記のくだりが明るい色を使って現されている。
天井の高い室内は窓がなく、高く吊るされた燭台と、天井付近に空けられた天窓のみで採光する造りになっている。人は、この礼拝堂に入るだけで聖書の世界を擬似的に体験する事が出来るのだ。
薄暗い混沌からふと目を上げれば、ほの明るい空の上、雲の隙間の向こうで、神が世界と人間を造っている。四方に目をやれば、名のある聖人が、王が、戦士が人を救い、敵を倒し、神の裁きを受け、あるいは自らの亡骸をこちらにさらけ出している。
創世の世からキリスト教成立までの歴史が、息苦しいまでの重みでそこに記されている。
もはや、建物そのものが宇宙を現すイコンであり、芸術作品であり、聖書である。

 ちなみにこの礼拝堂の中は撮影が禁止されている。
フラッシュが絵を痛めるからなのははもちろん、聖域だということでビデオ撮影も駄目。着帽や露出度の高い服装、おしゃべりも厳密に禁止されている。違反者は、警備員からきつい調子のイタリア語を聴かせてもらう事になる。

 少し移動し、サンピエトロ大聖堂に入る。イエスの直弟子である聖ペテロの墓所である。
ここは世界最大の教会と言われている。天窓からもれる光が筋をなし、厳かな雰囲気を醸し出す。

 ここにはペテロの遺体と共に、ミケランジェロが生涯に四つ創ったとされるピエタ像(イエスの遺体を抱える、悲しみに暮れるマリアの様を刻んだ像)のひとつが納められている。
世界中の叡智と芸術的感性(と、おそらく財産も)の結実のようなこの建物は、なにひとつ不調和を奏でる事なく人類の宝を内包している。
この中でペテロは、二千年近い時を眠り続けているのだ。
かたわらにある白亜の階段は、ローマ法王のみ使う事が許されている。
墓所の奥、祭壇の地下に伸びているのだが、そこにはなにがあるのだろう・・・。 

 

 

 

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 バチカンを出て、近所のリストランテでお昼を済ませる。
まだ冬だというのに、空は底抜けに明るい!空気は冷たいが日差しは日焼けするほど強く、なるほどこれが地中海の気候か、と思った。

 リストランテではスーパーマリオみたいなウェイターさんが、フンフンと調子良くパスタを運んでくれた。美味しい!

 

 

 

 

 午後からは、トレビの泉、スペイン広場をまわった。
観光客で込み合う細ーい路地を、土産物屋の品揃えを楽しみつつ抜けると、あの噴水が目の前に!
通る人は人種を問わず、どいつもこいつもナップサックを前に掛けて(ワタクシもですが)、見るからに観光地。まあいいや。ここに、後ろ向きにコインを投げ入れるとふたたびローマに帰って来れるんだって。ちなみに噴水の奥にある白い建物は、ここの持ち主だった商家跡。

 ところで、コインを投げる数には決まりがあるそうで、二つ投げると良縁に恵まれ、三つ投げると縁切りが出来ると言われている。さてうちの嫁です。同行のツアー客に「みっつ投げましたー」と笑って答えてました。すぐさま泉にとって帰してコイン二つ投げてやろうかとも思ったが、いやまてよ、嫁に百個くらい投げつけてやった方がいいかななどと考えてるうちに移動時間。
近所のジェラート屋で買ったアイスを仲良く食べながら、徒歩でスペイン広場に向かいました。
 

 

 スペイン広場。映画の中で、オードリーとグレゴリー・ペックが出会った、あの場所だ。
ここでアイスは食えなくなったらしいが、あの散髪屋はカフェに姿を変えていまだ営業中らしい。

 徒歩十分ほどでスペイン広場に到着。ここも人が多い!来てみればなんのことはない、ただの大きな階段があるだけ。
福岡在住の人は、西鉄福岡駅コンコースを思い浮かべてみて下さい。まんま、アレです。

 ツアーはここでいったん解散。我々二人はしばらくぶらぶらして、夕食にファーストフード屋でリゾット食べて帰りました。

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